M42星雲からの贈り物001

CERO

2008年12月05日 15:28



最近CEROはアサヒ・ペンタックスSP(黒)+タクマー50mm F1.4を中古で購入した。
ヤフオクでの相場はこなれており黒ボディ+レンズで7~8000円くらいである。
ただCEROのはかなりの美品だったので10000円くらいはしたが、往年の名機であることを
考えると破格の安さである。







このデジタル全盛の時代でも中古フィルムカメラはコンスタントに売れているそうである。
特にデジタルから写真入門した若い人に人気があるそうだ。問題なのはタマ不足で、
新規のフィルム・カメラはもう出ないから、新しく市場に供給されるものもなく、既存のもの
がグルグル市場を回っているだけなのである。ちょっと前のフィルム・フラッグシップが
わずか5~6万円で売られているのだから、カメラメーカーも新たにフィルム機を開発する気
は起きないのだろうと思う。

さて、SPにハナシを戻すが、実はこのSPの黒、CEROは数あるフィルム一眼の中でも最も
好きである。
確かにニコンFやF2、ニコマートFTn、ミノルタSRT101、オリンパスOM-1、OM-2、
キャノンF1、FTbなどなど同時代の名機はたくさんあるし、それらのカメラももちろん大好き
である。なのになぜペンタックスSPなのか、まず第一にその鋭角的なペンタ部が好きなので
ある。


鋭角なペンタならニコンFやF2はどうなのよと来るだろうが、あれらはアタマに貼り皮がある。
まあズラ被っているようなものである。その点SPは潔い、真鍮削りだしの美しいペンタ部に
これまたしっとりとした黒塗装が施してある。まちがってもアクセサリシューなんてつけては
いけない、とことんあの美しいペンタ部にこだわるべきである。
ライカと違ってあの黒塗装はかなり強固である。簡単にはボロが出ない、そこがまたいい。
ホールドしていると本当にしっとりとして温かみのある塗装である。
(オリンパスの黒塗装も良かったが、ペンタックスもかなりのものである。ニコンはちょっと
事務的な感じの塗装である)ちょっと詳しい方ならご存知だがペンタックスも開放測光の
SPFになると、この鋭角的なぺンタがなくなってしまうのである。
だからあくまでも狙い目はSPの黒である。

第2にメカが頑丈である。見た目はちょっと華奢にも見えるが、プリズムの生存率もオリンパス
などに比べるとはるかに生存率が高い。(オリンパスは腐食が多いので要注意)
また、電気回路がしっかりしていて、今でも電池を入れれば露出計がしっかり作動するもの
が多い、幸いなことにウェインからMRB400というSP用の1.35Vの空気電池が出ており、特別
なアダプターなど全く必要なしである。またこの電池はネットで簡単に買うことができる。
CEROが今回購入したSPも露出計は簡単に蘇った。ただしSPの測光方式は絞り込み式の
平均測光であることを忘れてはならない。明暗の差に簡単に引っ張られるので、指針の示す
値をいつも鵜呑みにはできないことを心にとどめておきたい。

さてもうひとつの最強最大の利点、それはM42マウントだということである。発売当時でも
すでに時代遅れの感があったM42マウントであるが、今から考えるとその後に登場したペン
タックスKマウントなどよりよほど融通が利く。なにしろ世間にあふれる古今東西のM42マウント
レンズがアダプターなしに使い放題なのである。おまけにそれらのオールド・レンズはどれも
個性的な描写をするのに、今や二束三文に近い値段で売られているのである。
こうなるともはやデジタルばんばんざいである。デジタル全盛のおかげでフィルムカメラや
オールドのマニュアルレンズが誰にでも手の届くものになったのは誠に喜ばしいかぎりである。

さて、今日はそのSPでテスト的に撮った写真を三枚ほど載せてみる。
見ればわかるが階調豊かな素晴らしい描写である。ノスタルジックにするため少し軟調に調整
しているが、その調整幅は非常に広い、使えるレンズである。
ズミクロン35mmF2(8枚玉)と比較すると、描写自体はやや硬質で、光が踊るような煌きはないが
十分に繊細である(遠方の山肌をみればそれがわかる)今後色々な被写体のその描写を試して
いく予定である。CEROの手元にあるM42レンズはまだこの50mmのほかに35mmのタクマーと
シャハトのトラベゴン35mmF3.5があるのみだが、今後きっと増えていくこと間違いなしである。
皆様も今後の展開をお楽しみに。


追)SPのカラー描写をすぐに見てみたい方は左のお気に入りに入っているシロさんのブログが
 おすすめである。なんでもお父様が学生時代に使っていたSPを押入れから発掘して使っている
 というリサイクルのお手本のような女性だ。写真ももちろん素晴らしい。

http://ameblo.jp/siro012/


<撮影データ>
ASAHI PENTAX SP
TAKUMAR 50mm F1.4
撮影地:亀田中野町( Nov.2008)



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