M42星雲からの贈り物003

CERO

2009年02月12日 19:46



恐るべしM42星人の襲来(怪獣トラベゴンの巻)笑

「贈り物」のはずが「襲来」になっているのがご愛嬌であるが、今日ご紹介するSchacht Travegon
35mm F3.5
の描写を見ると、まさに黒船襲来である。

A.Schacht(シャハト)社は日本ではほとんど知られていないが、ドイツの中堅レンズ専業メーカーで
ミュンヘンにて創業したが、1950年代にドナウ川河畔のウルムに移りEdixaをはじめ多くのカメラメーカー
に優れたレンズを供給した。もともとは今日紹介するようなクローム鏡胴のレンズを作っていたのだが、
ウルムに移ってからは日本でも時々みかけるゼブラ鏡胴の意匠が特徴となった。
光学性能もアップしたと言われるのだが(実際F値も2.8に上がっている)クローム鏡胴体の時は16枚
あった絞り羽(ほぼ円形;すごい)がゼブラ鏡胴になってからは半減してしまうなど、コストダウンの
匂いが感じじられるのが残念である。

CEROはネコ写真家でライカ使いで知られる「武田花」さんのファンなので、彼女のお気に入りである
ShachtのTravegon 35mm(Leica L-mount)ゼブラ鏡胴については結構以前から知っていて、いつか
は使ってみたいと思っていたのだが、L-mt.のものはなかなか見つからず、しかもお値段が4~5万円と
かなり高い。そこで例のごとくebay-ukでチェックを入れていたら、L-mt.ではなくてM42だけどもお手頃な
出物があった。しかも日本ではめったに見かけない初期のクローム鏡胴である。
出品地がギリシャなのがちょっと気になったが、出品者の評価も高いので入札することにした。
結果的に一万円ちょっとで落札でき、そのTravegon 35mmは晴れてCEROのものになったのである。

これならペンタSPでバリバリ使えるぞ、と思っていたのだが、ノンレトロフォーカス・タイプのTravegon 35mm
は後玉が結構つきだしており、ペンタSPのミラーでは2回に1回くらいひっかかってしまうのだ、もちろん
後玉そのものにひっかかるのではなく後玉を保護しているリングにである。
よく見るとリングの周囲が半周ほど何かでうまく削られている。おそらく前の持ち主も自分のカメラでミラー
干渉があっために削ったのだろう(幸い後玉には傷ひとつついていなかった。)
あとで調べて知ったのだが、ペンタックスはSP/SL以降ミラー長がそれまでより長くなっているのである。
まあ、それでもなんとか撮れるだろうと思って撮ったのが今日の写真である。
実際半分ほどはシャッター後幕がしまりきらず使い物にならなかった。

とうわけで、今はお蔵入りになっていたキャノンFTbを引っ張り出し、FD-M42アダプターを使っている。
アダプターのおかげでミラーとの距離が稼げるため今はまったく問題なくなった。
こうしてTravegon 35mm 晴れてキャノンFTbの専用となったのである(笑)
この紆余曲折(笑)なんでもやってみないとわからなし、これも良い経験である。

さて、そのTravegon 35mm F3.5の描写であるが、ひと目みてビックリした(笑)
武田花さんの写真である程度予想はしていたもの、何気ない森の写真が異様な存在感を持ってせまって
くるのである。階調は豊かだが、確かに独特のつながり方(階調の)だ。木肌の描写も今までに見たこと
のない不思議なものである。森は難しい被写体でフラットになりがちだが、そんなことは微塵もない。
陰影は陰鬱で、深い奥行きも感じられ、彼女がオドロオドロしいと表現したのもわかる気がする。
このレンズで何を撮ればいいのか迷うところだが、まあとりあえず今はネコでも撮ろう(笑)










ペンタSPに装着しても違和感のない美しいお姿(笑)
フードはニコンのHN-33がぴったりはまる。


それでは暖かくなったらバンバン撮るのでお楽しみにー ^^/
M42ファンの方、初期クローム鏡胴のTravegon 35mm F3.5は買いですぞー
見つけたらすぐゲットしましょう。



<撮影データ>
ASAHI PENTAX SP
TAKUMAR 50mm F1.4
撮影地:函館市内( Nov.2008)


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